【源泉掛け流し】平山温泉「湯の蔵」| 自然に囲まれた秘湯で癒しのひととき (熊本県山鹿市)

【源泉名】平山温泉
【泉質】アルカリ性単純硫黄泉（アルカリ性・低張性・高温泉）　泉温42.1℃
【成分】成分総量244.6mg/kg　pH値9.73　

pHが9.7と非常に高い数値で美人の湯であると同時に、硫黄分も多く含んでいることから汗疹などの肌トラブルにも効果的な温泉です。

強すぎない程良い硫黄の香りもあり、日本人がイメージしやすい王道の温泉で、誰でもお湯に浸かった瞬間からトロトロ感を味わうことができるでしょう。

「源泉100％24時間掛け流し」と脱衣所内にも記載されていて、湧出量は242ℓ/minありますが、使用状況についての具体的な記載はありません。

ここからは入浴した個人の感覚になりますが、内湯は源泉よりも熱いお湯が流れ出ていたことから、少なくとも加温はされていると思います。それでも、全体の湯加減としては40℃程度のようです。

露天の場合は、チョロチョロと竹筒から湯が流れており、触った感じも42℃前後な感覚だったので源泉そのものだと感じました。今回訪れたのが3月でまだ肌寒い時期ということもあり、露天の温度は38〜9℃程度のぬるま湯状態で、熱めのお湯が好きな方には物足りないかもしれません。

源泉に近づくことで温かくなるため、自分の好みに合わせて位置で調節することも可能です。また、シャワーからもトロミと硫黄臭のする温泉が出ますので、シャンプー・トリートメント後は良い意味でヌルヌルするため、いつ泡がなくなったか分かりにくいです。

湯上がりは、もちろん肌がしっとりしてトロトロのお湯で保湿されてた感じがしました。

本館だけではなく、宿泊施設やエステ・岩盤浴は別棟になりますが、全体的に古民家風な作りをしていてとても趣があります。自然に囲まれた場所にあるため、温泉と森林で多くの人が癒される空間となっているでしょう。

石造の露天風呂は剪定された緑に囲まれており、時間を忘れてゆっくりとした時間を過ごすことができます。

日帰りの場合でも、事前予約をすることで専用露天風呂付きの個室が利用でき、和風庭園を眺めながら泊まりの旅行気分を贅沢に味わうことも可能です。

トータル的に非常に良い雰囲気ですが、一部手が行き届いていない面も見受けられました。

利用客が多い時間帯であったことも原因でしょうが、トイレの汚れやサウナ内に敷かれたタオルが濡れているなど、スタッフの巡回が追いついていない印象があり素敵な雰囲気なだけに残念です。

（浴内設備）ゆったり温泉を楽しむためのシンプルな設備

内湯には大浴場が1つで、その中の一角に泡風呂エリアが設けられています。縁から階段状になっており、浴槽には1箇所手すりがあるものの、洗い場や露天などの動線上には手すりがありません。

温泉の性質上かなり滑りやすいため、特に足の不自由な方や高齢者は注意が必要です。

小さめなサウナもあり、二段に分かれて詰めれば大人が８人ほど座れそうですが、コロナの感染予防を考えると４人が精一杯でしょう。

サウナと内湯の間に水風呂が設置されていて、こちらの水も常に掛け流し状態にありました。

洗い場は10箇所ほどあり全てにシャワーが設置されています。受付でも販売されている馬油シャンプー・トリートメント・ボディソープが備え付けられており、女湯にはこれらに加えて炭洗顔・ピーリングジェルが置いてあります。

椅子は1つだけ50cmほどの高さのものが用意されていますが、それ以外は全て低いタイプなので、こちらも足腰が不自由な方には不便かもしれません。

浴室出入り口には荷物置きの棚があります。

露天風呂は屋根付きの広めの浴槽が1つ、隣り合わせに屋根のないエリアに小さめな浴槽が1つあり、小さな方がやや温度が高めのようです。

脱衣所のロッカーに鍵をかけるためには10円が必要なので、事前に10円玉を準備しておきましょう。

男湯の洗面台は2つでドライヤー1つですが、女湯は洗面台3つにドライヤー3つとオールインワンの美容液があり、どちらにも綿棒が用意されています。

（付帯設備）規模は小さめでも食事や岩盤浴など充実したサービス

先ほどもお伝えしましたが、予約しておくことで個室と専用露天風呂を利用でき、さらに職人による日本料理まで頂くことができます。

本館の中にも食事処「わらじ」があり、豊富なメニューと熊本ラーメンなど地元の味を食べられるため、食事だけでもさまざまな楽しみがあるでしょう。

大広間の休憩所を利用している地元の方の中には、休憩と入浴を1日中繰り返している方もいました。

ホール部分の一角にはマッサージチェアが設置されていて、10分100円で利用することができます。

また、別棟ではスパ＆エステ、岩盤浴もあり、温泉と一緒に美しくリフレッシュすることもできます。

宿泊施設にはそれぞれ個別に露天風呂が備え付けられており、専用の食事処も用意されていますが、日帰りでは利用することができません。

レジャー要素は少ないため、年齢の低いお子様などは退屈する可能性もありますが、大人にとっては静寂を贅沢に楽しめる場所になるでしょう。

なんといっても、良質の温泉を低価格で楽しめるのは有難いですね。

歴史的にも古く秘湯と呼ばれる平川温泉郷は、温泉好きな方にはぜひ一度行って欲しい所です。

特に湯の蔵は古民家風な建物が特徴的ですので、風情のある空間でゆっくりと日頃の疲れを癒したい方には最適でしょう。

公共交通機関では行きにくいのが難点ですが、ぜひドライブを楽しみながら加藤清正も利用していた温泉に入ってみてください。