奥小安峡 大湯温泉 阿部旅館｜いざ、秘湯へ。 (秋田県湯沢市)

◆アルカリ性単純硫黄泉

源泉の温度は98度。川がすぐ横を流れているのですが、温泉が湧き出ているあたりからは白い煙がもくもくと立ち上っています。風情最高です。

源泉が非常に高温のため、加水してちょど良い湯温に調節しています。

2月の寒い季節に訪問したのですが、加水控えめだったのかお湯も非常に熱く(温度は不明)、全身入るまでに時間がかかりました。

無色透明で、さらさらとした肌触りのお湯ですが、温泉らしく入浴すると体をカッと熱くする感覚があります。循環装置や消毒薬剤の使用は不明ですが、塩素系の匂いは一切しません。

黒板塀の回廊階段を下って、川原の温泉へ向かいます。この階段がレトロ感爆発で気持ちが高まります。昭和の街灯のようなライトがたまりません。

温泉への扉をあけると、びっくりするほどレトロな内湯。「今昔風呂」という名前でシャワーはなく、かけ湯です。ちなみに湯船は隣のお風呂とつながっていて（男湯と女湯入れ替え制）足をのばせば触れます。

内湯への扉と反対側の扉が、露天風呂へと続く場所。露天風呂は広く開放的でまわりは大自然。大パノラマ。自然しかありません。渓流がすぐ横を流れており自然音が心地よく響きます。ちなみに高温の源泉地帯もすぐそば。

写真の手前のお風呂はもはや水風呂。奥の渓流に沿ったお風呂はとても熱い。勝手に水を足したりしながらなんとか足を入れ、ならしながら入浴しました。

何度でも言いますが、お風呂に入りながら眺める自然の風景はまさに至福。これぞ秘湯と呼ぶに相応しい温泉だと妙に納得します。

脱衣スペースは3畳ほどの小スペースで、温泉に入る扉の反対側には「源泉蒸風呂」がありました。高温の源泉を活かし、源泉の蒸気を使った蒸風呂です。脱衣スペースには木の棚と、壁にかけられたドライヤー。ゆっくりと座って身支度する、といった雰囲気はありません。

レトロな階段の前には、木製のロッカーがあります。屋根はあるものの屋外です。自動販売機と休憩スペースがあるので、暖かい季節や天気の良い日は休めそうです。ただ、喫煙スペースも兼ねているスペースのため煙や匂いが気になりました。

有料ですが旅館内の休憩スペースで休むこともできます。さらに予約で個室利用プランもあります。

川原の絶景風呂が500円で入浴可能とコスパがとても高いです。脱衣スペースや休憩スペースは簡易的で十分とは言えませんが、温泉・秘湯が目的のユーザーにはかなり高い満足度だと思います。

大変な道のりではないものの人里離れた山奥にあるためアクセスに時間がかかりますが、秘湯好きなら時間をかけてでも行く価値があるでしょう。ちなみに以前は400円だったところ値上がりして500円になったようなので、今後も値上がりの可能性があるかもしれません。

◆おすすめのポイント

お湯のくせが少なく、どんな人でも楽しめる
大自然の中で非日常感を満喫できる
レトロな回廊もすてき

◆残念なポイント

貸し切り状態だったので良かったが、他の人と一緒に使うには脱衣スペースが狭すぎる
ロッカーはあるものの安心して使える感じがしない
休憩スペースと喫煙スペースがほぼ同じ場所で非喫煙者には辛い