おぶせ温泉 穴観音の湯 (長野県小布施町)

■低張性弱アルカリ性高温泉
■[泉質名]含硫黄-カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉
■[成分総計3.6g/kg・pH8.14・泉温43.3℃]

先に申し上げておくが・・この温泉、使用状況を見ると加温・循環・消毒(塩素消毒では無い)の掲示がある。しかし・・湯質は極上の掛け流しと遜色が無い素晴らしい源泉であった。

上述の硫黄臭が浴室内でもしっかり感じられ10人ぐらい入れそうな内湯浴槽には綺麗に青白く白濁した湯が豪快に掛け流して提供されている。火山系温泉のキリッとした匂いが感じられ、豪快に掛け流されている湯からは強い硫黄臭気が感じられる。意外にも味感もイガイガ感が少なく、ほんの僅かに苦みを感じられた。

この内湯の更に一階段降りると、露天風呂が有るのだが・・こちらは無色透明。内湯と同じく硫黄臭気がはっきりするのだが不思議・・。掲示によると同じ源泉を利用しているが時間が経つと無色透明になり同じ源泉なのに全く違う色になるとのこと。この掲示が無ければ複数源泉を利用しているのでは無いかと誤認するところであった。撮影禁止だったので、是非訪問して湯の違いを確認して頂きたいと思う。

本来、当サイトの評価項目では循環は『泉質極上』としないとしているが、ここの温泉に関しては例外として『極上』を贈呈させて頂きたい・・まさに使用状況だけで湯を判断してはいけないと再認識させてくれる『伏兵温泉』であった。

館内は綺麗に整えられているが、昭和レトロな印象。二階は改装したのかフローリングと畳の新しめな空間となっている。

そしてこの温泉・・湯質だけで無く、眺望も素晴らしい。内湯からは妙高・黒姫などの『北信五岳』が望め(丁寧にガラスに山の案内が表示されている)露天では立ったり、椅子に座ったりすれば遮蔽物無しで眺望を望む事も可能である。(湯に浸かりながらだと竹垣の隙間からしか見れない構造になっている)訪れたのが昼頃だったが、明朝や夕方なども夜景や西日が栄えそうな気がする。

これだけでなく、上述の眺望の裏手に観音堂が建てられているのだが、ここの雰囲気が山肌が大変近く野鳥のさえずりが普通に聞ける空間で『ぼくの夏休み』に出てきそうなノスタルジックな気持ちにさせてくれる。入館者はこちらも訪れる事が出来るので是非立ち寄ってみて頂きたいと思う。

［浴場設備］

浴場は10人近くが入れる白濁した硫黄臭のする内湯・サウナ(水風呂なし)、20人近く入れそうな無色透明だが硫黄臭の強い露天風呂と寝湯などが設置されている。申し訳程度にジャグジーも三機ぐらい置いてあるが水圧が弱く気泡風呂の様な感じである。

［付帯設備］

二階に、食堂と50畳以上ある休憩所が設置されている。食堂は公共とした風体で無く、若い人が営業してそうなCafe感のある雰囲気でランチ・ディナー時間(11:00-14:00/17:30-19:30)のみの営業となっている。畳の無料休憩所もあり、時間制でもないので仮眠程度ならば可能。休憩スポットとしても悪くない充実度であるのは素晴らしい。

更にこの温泉・・隣接している『あけびの湯』で朝6時から早朝営業も行っている。長野県の観光前に、この実力の高い温泉を利用出来るのは素晴らしい事この上ない。源泉と眺望が上々である上、休憩所もある・・長野県を訪れる際は何度でも訪問したいと思わせる素晴らしい温泉であった。今度は『あけびの湯』も訪問レポートしたいです。

貴重品ロッカー◯
アメニティ◯
喫煙所×
駐車場◯

■メリット
硫黄臭のする極上温泉
眺望が素晴らしく北信濃の山々がや町並みが眼下に望める
休憩所もあり
裏手の観音堂付近もノスタルジックな雰囲気

■デメリット
ジャグジーが弱い
サウナの水風呂が無い(長野は何故か多い)