平谷温泉 山吹乃湯 (佐賀県鹿島市)

【源泉名】平谷温泉
【泉質】単純温泉（低張性 弱アルカリ性 低温泉）　泉温27.1℃
【成分】陽イオン計54.7mg/kg　陰イオン計151.1mg/kg　非解離成分計109.3mg/kg　溶存ガス成分計9.7mg/kg　pH値 7.58

こちらの温泉は、かなり泉温が低いため加温が必要で、湧出量が毎分70リットルということもあり循環も行われています。

また、消毒も行われていることと、単純温泉で成分量やpHも高くないことや、香りもあまりしないため温泉らしさは実感しにくいかもしれません。

入ってみると、ややお湯の柔らかさは感じますが、とろみはあまりないようでサラサラとしたお湯です。クセや刺激が少ないことから、誰でも入りやすい泉質となっています。炭酸水素イオンは比較的高めなので、血行促進効果にも期待できるでしょう。

浴室には広々としたガラス窓が設置されており、内湯からも写真のような畑や山間の開放的な景色が楽しめます。また、露天からも同じようにしっかりと外を眺めることが可能です。

しかし、仕切りが少なく開放的過ぎて大丈夫だろうかと心配にもなります。また、男湯の露天からは、部分的に入口が見えるほど隙間がありましたので、セキュリティやプライバシー保護としては微妙かもしれません。

洗い場や脱衣所は綺麗ですが、マットや浴槽の木の縁、露天の木の床などは劣化やコケなどが目立つためマイナスな印象です。建物全体も古びれているので趣としては楽しめますが、もう少し綺麗に整えられるところもあると思いました。

（浴内設備）内湯がふたつに露天は水風呂のみ

▼内湯

ふたつの温度設定の浴槽が用意されています。広いガラス窓が設置されているため、外の風景もクリアに見えて開放的な造りです。

やや広めのぬるめの湯は、体感的に39℃前後に設定されており、景色も眺めやすくなっています。じっくりゆったりと入りたい方や、外を眺めてリフレッシュしたい方におすすめです。

あつめの湯は、体感温度で41℃前後のようで、しっかりと温まりたい方はこちらの浴槽の方が良いでしょう。浴槽の縁は木製ですが、劣化して割れているところや、コケで緑色になっている部分が目立っています。

男湯の場合は、あつめの浴槽側の窓が開けられており、外にはボイラーのような機械がありました。そのため、景色が見えにくく、若干ガス臭い感じもあったので、あまり居心地は良くはありません。

洗い場には、ボディソープとリンスインシャンプーが備え付けてあります。

▼露天

露天には一人用といえるサイズの水風呂がひとつとベンチがひとつ設置されています。より開放的に外を眺められますが、道や民家が無いとはいえ、山側からは丸見えの状態です。

床やベンチは木製で、コケで緑色になっているのが目立ち、人工芝のマットはボロボロの状態だったのであまり綺麗な印象ではありません。

露天からは、受付や発券機などが隙間から少し見えますので、気になる方はご注意ください。

▼脱衣所

脱衣所で靴を脱いで上がり、荷物は棚のカゴか、100円のコインロッカーが利用可能です。トイレも脱衣所内に設置されています。洗面台が2箇所、ドライヤーも2個備え付けてありますが、ハンドソープや綿棒などのアメニティはありません。

（付帯設備）宿泊や家族風呂はスタッフに要確認

▼休憩所

無料の休憩スペースがあり、テーブルとベンチが設置されています。

佐賀や周辺の観光情報の雑誌やパンフレットが置いてあるほか、牛乳類の自動販売機もありました。外にもアイスの自販機が設置されています。

▼物産スペース

受付前のスペースには、地元で採れたみかんやお米、卵などが販売されています。

卵は売り切れていたので人気なのでしょうか。

▼家族風呂

発券機にも記載されていますが、券を購入する前に家族風呂が利用できるかスタッフに確認する必要があります。スタッフが不在のときには、電話などで確認しなければならないでしょう。

▼宿泊施設

こちらは1日1組限定で行われているため、必ず事前に確認と予約をしなければなりません。

建物や風景に趣があり、四季折々の楽しみがある温泉です。周辺にも観光地が多く、佐賀県と長崎県を行き来する際は利用しやすいでしょう。しかし、立ち寄り湯として700円は割高に感じます。

泉質や設備にも特筆すべきところが少ないため、コストパフォーマンスを考えると、ほかの温泉施設が候補にあがりやすいかもしれません。