【源泉掛け流し】熊入温泉センター (熊本県山鹿市)

【源泉名】熊入温泉平成泉源

【泉質】アルカリ性単純温泉（低張性アルカリ性温泉）　泉温38.6℃

【成分】総成分量0.16g/kg　pH値 9.6

湧出している温泉を源泉から浴槽に引いているので、掛け流し状態で贅沢に温泉を楽しめます。湧出量は305ℓ/分で湯口からは勢い良くお湯が流れていました。

浴槽は3段階に分かれており、源泉が直接注がれる奥側の浴槽でも40℃以下の比較的ぬるめのお湯です。源泉の浴槽から流れてきたお湯が溜まっている中間部分はさらに温度が下がり、一番手前の浴槽は湯口から冷たい温泉が出ているため全体的に体温ほどの湯温になっています。

お湯はどの温度でもトロトロとした柔らかい肌触りで、ぬる湯ということもあっていつまでも入っていたくなる温泉です。地元の方も一番手前のぬる湯に入っていることが多く、この地域の好みなのかもしれません。

透明で匂いも特に感じず、単純温泉ということでクセや刺激が少ないため、どなたでもゆっくり入れると思います。

湯上がりには本当に肌がしっとりとして、この日は午前中に入りましたが一日中しっとり感が続いていました。美人の湯ならぬ「乙女の湯」と呼ばれているようで、アトピーや皮膚炎にも効果的とのことです。

どこをとっても年季の入った建物は、単純に「古い」というよりはレトロ感すら漂わせています。

色あせている大きな看板には「近代的設備を誇る」という文字があり、いつの時代の”近代”なのかと、時代の流れを感じると同時に、昭和の良き雰囲気が残った場所だとも思えました。

番台の方は気さくに話してくださり、地元住民の方々も自然と話しかけてくれるので、心まで温まる癒しの時間になりました。この日は平日の午前中に行きましたが、常に地元の常連客が入りに来られ、地域でも人気スポットのようです。

（浴内設備）3パターンの温度で長風呂も楽しめる

▼内湯　大浴槽1　かけ湯1、シャワー1

大浴槽が奥側から3段階に区切られており、源泉が徐々に下に流れていく作りです。全体的な広さは銭湯レベルで広くありませんが、3つに分かれている浴槽で好きな温度を選べるため、ゆったりとお湯を楽しむ工夫がされていて十分に満喫できます。

▼洗い場　8ヶ所

足腰が不自由な方用に背もたれ付きの高さ調整できる椅子が2脚準備されています。シャワーや蛇口から出るお湯も温泉で、しっかりとトロみがあるため立ち上がるときなどは滑らないように注意してください。

シャンプーなどのアメニティはありませんので準備してから入りに行きましょう。

▼脱衣所

カゴのある棚と100円を支払う鍵付きロッカーがあります。テレビや椅子も設置されていますので、脱衣所で少し休むことも可能です。

洗面所は1つありますが、ドライヤーは付いておらず持ち込みも禁止されていますので、ドライヤー必須の方はご注意ください。

（付帯設備）有料でも安い休憩所と別棟に家族風呂あり

▼休憩所

大人500円、小人300円を支払うと入浴料込みで休憩所が利用できます。

全体的に畳ばりで、お弁当や飲み物を見込むことも可能です。ただし、アルコール類は持ち込み禁止でこちらの売店で購入する必要があります。

1曲100円でカラオケも利用できますが、オンステージなのでなかなか勇気がいりますね。休憩所やカラオケも昭和感が満載な作りになっています。

休憩所で雑魚寝はできますので、温泉に入って休憩を繰り返す湯治に活用するのも良いでしょう。追加で1,500円を出すと個室も利用可能です。

▼飲泉持ち帰りOK

建物の外には、飲める温泉が入浴者に対して無料で提供されています。地元の方に話を聞くと、お茶やコーヒーにして飲んでも美味しいとのことです。

実際に飲んでみたところ、非常に柔らかい口当たりで、温泉特有の硫黄臭もほとんどないため美味しく飲みやすい温泉でした。

▼家族風呂

別棟にはなりますが、温泉センター裏側に家族風呂の建物があります。

こちらも家族風呂としては格安で、利用する際は発券機で支払い受付で部屋を決めてください。

低価格で良質な温泉を楽しめる共同温泉のように、こちらも豊富な最新設備はありませんが、非常に高い質の温泉に250円という安さで入れます。さらに、早朝の6:30から入浴できるのも魅力です。

また、別棟の家族風呂も格安で提供されていますので、家族一緒にお得で良質な温泉に入ることもできます。

今もなお古き良き昭和感が漂うローカルスポットとして、古さや設備を気にしない方にとっては最高の温泉ではないでしょうか。