八千代温泉 芹の湯 (群馬県下仁田町)

高張性中性冷鉱泉　　[泉質名]含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉　[成分量13.1g・pH6.3・泉温10.8℃]

温泉は内湯のみで10人は入れないかな・・ぐらいの木の浴槽に外から内湯に樋(筒?)を通して温泉が掛け流されている。

匂いは藻の様な匂いで、ぎりぎり底が見えるぐらいの濁度の黄土色の湯。炭酸水素泉との事だが、炭酸感は特に感じられない。口に含むと味噌汁みたいな濃すぎず、薄すぎずみたいな丁度良い湯であるが、高張性温泉である為か、数分ぐらい浸かるだけでも汗がほんのり出てくる。

浴槽が変わった造りをしており、二つの浴槽が平行しておいてある奥に謎の空間(浴槽?)があり、お湯は張られて居るが掛け流しと言うほどオーバーフローはされていない。少しずつ無駄遣いせず浴槽に提供されている。

そしてこの温泉最大のポイントは、しっとり感があり、浴後の保湿感が大変強い。成分表示を見るとメタホウ酸が150㎎を越える湯で成分的にも個性も抜群である。そして成分表示を見て驚いたが湧出量のところに測定せず(発見、自噴)と書かれておりあまり見られない表記に笑ってしまった。掛け流し秘湯マニアなら一度は訪れて確認してみても良いレベルだと思う。

ただ使用掲示が何処にあるのか分からない。訪問前の情報によると循環・加水・消毒はされていない模様。冷泉であるので加温は確実にされていると思われる。源泉掛け流しを標榜しているので、消毒臭気はしないが、上述の藻の匂いがするのが気になる・・温泉独特の匂いだとは思えないが、これはイエローストーン自然公園にあるような温泉藻ですといった表記があり、それなら、そうなのかな・・と納得してみる。

当館は平成23年にリニューアルオープンされた温泉施設との事だが、館内は経年した70年代くらいの昭和感漂う温泉。といった感じの雰囲気である。外観はログハウス風。もっと言うと一昔前の田舎の小屋型温泉。と言ったところか。

脱衣所などは手作り感が感じられる。浴室内の雰囲気はやや鄙びた温泉といった雰囲気で、そういった温泉が好きな人にはオススメすることが出来るが、人によっては汚いと取られてしまいそうな危険もはらんでいる事も付記させて頂く。

土地柄、山肌も目の前に有り、せせらぎも聞こえてくる素晴らしい自然に囲まれた温泉で有るだけに、露天が有ればなおいいな。とも思ってしまった。

田舎の秘湯だが、しっかりドライヤーや洗い場・アメニティなどは確保されている。

今回は閉店ギリギリに訪れたので分からなかったが、別室にある食堂では郷土料理なども頂ける模様。食堂は館内の半分くらいの広さを占めており、多少の人数が訪れても問題無さそうな広さであった。

食事もここで頂く前提なら、一休みする事も可能そうな広さである。次回訪れるときは是非利用してみたいと思った。

入館料金がワンコインなのも嬉しいところである。軽井沢・富岡の間に位置する温泉であるので観光のついでに、変わった温泉や秘湯・隠し湯的な温泉が好きな人は立ち寄る事をオススメしたい温泉である。

実力派温泉の多い群馬県・長野県の温泉でも良好な部類に入る温泉であると断言できる。

貴重品ロッカー◯　鍵付きロッカーのみあり
アメニティ◯
喫煙所×
駐車場　◯

■メリット
しっとり保湿感の強い自噴温泉
自然に囲まれた秘湯温泉
おいしい郷土料理がいただける
浴室内は昭和レトロ感も感じさせる

■デメリット
古く経年している箇所もある